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スコーンの歴史・名前の由来は?ビスケットとの違いやスコーンの食べ方も解説。

2023年 7月 17日  2020年 12月 24日

スコーンの歴史・名前の由来は?ビスケットとの違いやスコーンの食べ方も解説。

スコーン(scone)とは

スコーンとは、小麦粉などの穀物粉にベーキングパウダーを加え、塩・砂糖・バター・牛乳と混ぜ合わせた生地を焼き上げたパンもしくはペイストリーの一種です。

レシピによっては生クリームや卵を使う場合もあり、発祥はスコットランド。

現在は、イギリス全土・旧イギリス領だった国でアフタヌーンティー等「お茶のお供」として食べられている他、地域によっては手軽な朝食・菓子パン感覚でも食べられています。

なお、スコーンと聞いて想像するものはビスケットのような円柱形であったり、三角形をしていたりと様々あると思います。

何となくイメージとしては、イギリス風は円、アメリカ式は三角と思いがちですが、イギリスでも三角系のスコーンが食べられており、アメリカでも円いスコーンが作られていますから、国や具材よって形が決まっているというわけではありません(ただし、英国式スコーンと呼ばれるのは圧倒的に円タイプが多いです)。

ちなみに、発祥国スコットランドで伝統的なスコーンの形は、大きな円形に焼いてから切り分けた三角形よりの形らしいです。


スコーンの歴史・名前の由来

スコーンは、イギリスのスコットランド地方で生まれたパン菓子。

粗挽きの大麦粉を使って型抜きをせずにそのまま焼いた「バンノック(bannock)」というお菓子の系統を引く、ビスケットの一種でしたが、19世紀半ばにベイキングパウダー・オーブンの普及によって、現在の形に近づいていきました。

基本的な作り方は、小麦粉、ベイキングパウダー、塩、砂糖、バター、牛乳をベースにした生地をこね、抜き型で丸く抜き、オーブンで焼いたものになります。

オーブンのない時代は、グリドル(griddle)と呼ばれる厚手の平らな鉄板を用いて、生地の両面を焼いたとされ、このグリドルは、オーブンのない時代には、平たいパンを焼くには欠かせない道具でした。

スコーンの名前の由来は、スコットランド宮殿にあった「The Stone of Scone(運命の石)」という石からつけられている模様。

スコーン城で歴代の国王の戴冠式で使われた椅子の土台にあたる石に形が似てるとのことです。(今はエディンバラ城に置いてあるようです)

これにあやかり、今では、スコーンの形は、石を連想させる形に焼き上げられることが多いですし、その神聖な形からナイフは使わず、縦に割らずに手で横半分に切って食べるのがマナーだと言われています。

そして、スコーンはイギリス全域に広まり、その地域で人々に食べやすいスタイルで浸透していったようです。

18世紀後半になると、上流階級で流行した「アフタヌーンティー」には欠かせない食べ物のひとつになりました。

アフタヌーンティーに欠かせないスコーンには、赤いジャムとともにクロテッドクリームが添えられます。

なお、このクロテッドクリームは凝固した(clotted)クリームという意味です。

イギリスの酪農地帯であるデボンシャー地方の特産で、乳脂肪の高い牛乳に低温の熱を加えて冷まし、上に固まって層になっているクリームをすくいとったものになります。

乳脂肪は、クロテッドクリームが約60%、バターが約80%、生クリームが約45%ですので、バターと生クリームの中間くらいであり、濃厚なのに、口の中で溶けやすく、意外と爽やかな味わいです。

クロテッドクリームは、スコーンやマフィンにつけて食べるのが主ですが、ケーキ作りでバターのように使ったり、料理用のソースなどで生クリームのかわりに使うこともあります。


スコーンの食べ方

どちらの方法でも、最初にスコーンを上下に割るところまでは同じで、違いはジャムが先か、クロテッドクリームが先かだけです。

まあ、日本で食べる分にはどっちの食べ方でも問題ないと思います。

ちなみに、現地では結構デリケートな問題の模様。

  • デヴォン式(creamfirst)
    デヴォン式は、割ったスコーンにたっぷりとクロテッドクリームを塗り、その上にジャムをトッピングのように乗せるスタイルです。

  • コーンウォール式(jamfirst)
    コーンウォール式は、割ったスコーンにジャムを塗った後、クロテッドクリームを乗せます。


スコーンとビスケットの違い

ここで言うビスケットは、日本でビスケットと呼ばれているクッキーのような焼き菓子ではなく、アメリカ式の「ビスケット」のことです(ケンタッキーで販売されている小さいパンのようなビスケット)。

見た目にしろ食感にしろスコーンと非常によく似ていますよね。

使用される材料も、ベーキングパウダーで膨らませるという点もほぼ同じで、アメリカの料理解説サイト・書籍でもスコーンを「濃厚なビスケット(リッチなビスケット)」と紹介しているものがありますから、アメリカでもスコーンとビスケットの区分は曖昧なようです。

一応、「アメリカ式ビスケット」と「英国式スコーン」の違いは「使用する油脂」とされています。

スコーンは「動物性油脂のバター」、アメリカ式ビスケットは「植物性油脂のショートニング」を使用するのがオーソドックスです。

この違いにより、ビスケットはサクサクした軽めの食感に、スコーンは濃厚な印象になるのだそうな。

その他に、「ビスケットに砂糖は入れない」・「表面の艶出し方法が違う」という見解もありますが、このあたりはレシピによってもかなり違いがあるように思います。(特に、日本の場合、ショートニングやオリーブオイルで作るスコーンのレシピもありますし・・・。)

もう一点、アメリカ式ビスケットと英国式スコーンの違いと言えるのは、「スコーンの形状」です。

英国式スコーンは、丸い形に型抜きしたものが多いですが、型抜きせずに切りを切り分けた三角形・長方形・正方形・菱形などのスコーンもあります。

対して、アメリカ式ビスケットは、円形がオーソドックスで、三角形や四角形のビスケットというのは珍しいです。


英国式スコーン(British scones)の特徴

イギリスで食べられているスコーンの特徴は、バターと砂糖の使用量が少なくシンプルなことが挙げられます。

私達に身近なところであれば「Afternoon Tea(アフタヌーンティー)」のティーセットで出てくるスコーンが、英国式スコーンで、単体で食べるとお菓子というよりは、パンに近い印象のあるものです。

イギリスではスコーンに「ジャム」・「クロテッドクリーム」等を付けて食べることが多い為、ふんわりと甘いくらいのシンプルな味付けに抑えられています。

同様の理由で、所謂プレーンタイプが多く、生地に具材を練り込むにしてもレーズンやドライフルーツ、チーズ位です。


米国式スコーン(American scones)の特徴

ペーキングパウダーで膨らませたパンの仲間とも言える英国式スコーンに対して、アメリカでポピュラーなスコーンはしっかりと甘さが加えられています。

砂糖だけではなく、バターの使用量も英国式スコーンよりも多く、レシピにもよるもののアメリカのスコーンに使われるバターの量は英国式スコーンの約3倍という声もあります。

アメリカ式スコーンは、「何もつけずに食べる」、「単品で美味しく食べられること」が重視されている印象。

また、英国式スコーンはプレーンが基本なのに対し、アメリカ式スコーンのプレーンというのは少数派です。

チョコレートチャンクやブルーベリー・ナッツ等が結構多めで、きちんと具材による味を満喫できるような加えられ方をしています。