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バターとマーガリンの違いとは?バターをマーガリンで代用できるのかどうかや使い分けについても解説。

2023年 7月 5日  2020年 11月 20日

バターとマーガリンの違いとは?バターをマーガリンで代用できるのかどうかや使い分けについても解説。

バターとマーガリンの違いとは?

「バターとマーガリンって、何が違うの?」、「バターの代わりにマーガリンを使っても大丈夫?」と日々の食事・料理でそんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。

ひと言で違いを説明すると、「バター」の主な原料は「動物性油脂」、「マーガリン」は「植物性油脂」ということです。

バターは「牛乳」、マーガリンは「なたね油」や「コーン油」、「オリーブ油」等からできており、その為、味や栄養素、賞味期限や値段なども異なります。

しかし、元々、マーガリンはバターの代用品として作られたものである為、多くの用途・料理でバターのかわりに使うことができますよ。


バターとマーガリンの主原料の違い

まず、バターとマーガリンの違いは「主成分」です。

バターとマーガリンは共に、成分の80%以上が油脂でつくられており、油脂の中でも「乳脂肪分」が使われているものを「バター」と呼び、「植物性・動物性の油脂」が使われているものを「マーガリン」と呼びます。

バター 80%以上が乳脂肪分
マーガリン 80%以上が油脂

マーガリンに含まれている油脂には、何を使用するか規定はありませんが、主に植物油脂が使われており、「大豆油」や「パーム油」等、様々です。


バターとマーガリンの味や風味の違い

バターとマーガリンは味にも違いがあります。

「バター」は主成分に牛乳の脂肪成分が含まれているため、塩味と旨味が強く、コクがあることが特徴的です。

一方で「マーガリン」は、甘味はバターと差はないものの、塩味と旨味が弱く、あっさりとした味わいになります。

その為、マーガリンをお菓子などに使用すると、あっさりした軽やかさを出すことができます。

同じクッキーを作るにも、バターを使うと風味豊かで濃厚な味わいに、マーガリンを使うとあっさり軽い味わいになるのですね。


バターをマーガリンで代用することは可能か?

さて、お菓子や料理のレシピで「バター」とあった場合、マーガリンで代用してもよいのでしょうか?

結論からいえば、多くの場合はマーガリンで代用が可能です。

そもそも、「マーガリン」はバターの代用品として誕生しました。

19世紀半ばのヨーロッパでバターが不足した為、ナポレオン3世が安価な代用品を募ったところ、フランス人の科学者がマーガリンを発明したと言われています。

ですから、多くの場合、バターのかわりにマーガリンを使うことができるのは当然と言えるでしょう。

料理のレシピでバターをマーガリンに代用する場合、分量も同量で大丈夫です。

ただし、上述の通り、バターを使うと濃厚なコクと風味が加わるのに対して、マーガリンを使用すると風味はさっぱりとして軽い仕上がりになります。

香り高く、こってりと仕上げたい場合、マーガリンで代用せず、バターを使用する方がよいでしょう。


バターとマーガリンの扱いやすさの違い

「バター」と「マーガリン」、どちらも温度によって硬さが変わります。

適温であれば程よい硬さで扱いやすくなりますが、温度が高ければ柔らかすぎ、低くなれば硬くなって扱いにくくなってしまいます。

その為、料理に使う場合は温度管理が大切で、この「扱いやすい硬さ」を「可塑性(かそせい)」と言います。

バターとマーガリンでは、可塑性を保てる温度に違いがあり、バターの場合、可塑性を保てるのは13〜18℃程度と、温度帯の幅が狭くなっています。

一方、マーガリンは、10〜30℃程度の幅が広い温度帯で可塑性を保つことができます。

その為、、扱いやすいのはバターよりマーガリンということになります。

だから、冷蔵庫から取り出し、すぐパンに塗る場合も、バターの場合だと上手く塗れませんが、マーガリンはすぐ滑らかに塗ることができるのですね。


バターとマーガリンの賞味期限の違い

バターとマーガリンは、賞味期限にも違いがあります。

バターの場合、未開封であれば冷蔵保存で「約6ヶ月」持ちますが、一度開封してしまうと「2週間程度」しか持ちません。

それに対し、マーガリンは、未開封の冷蔵保存で「約6〜10ヶ月」、開封しても「約1ヶ月」は美味しく食べられます。

この違いは、調理後にも影響し、例えば、クッキーを作って長期保存したい場合、バターではなくマーガリンを使うことで、賞味期限を延ばすことが可能です。


バターとマーガリンの価格の違い

バターとマーガリンの値段を比較すると、「バター」の方が高く売られています。

値段に差がつく理由は、「バター」には牛乳から採れる「乳脂肪分」が含まれており、動物由来の油脂である為、採れる量に限りがあり、その分、値段が高くなるのです。

バターはマーガリンの2〜3倍程度の価格と高価です。

その為、お菓子作りの際などは、大量に必要な場合は「マーガリン」、少量で味に深みを出したい場合は「バター」という使い分けをすることもできます。


バターとマーガリンの共通点はカロリー

「バター」と「マーガリン」の共通点はカロリーの高さです。

100gあたりのカロリー
バター 745kcal
マーガリン 757.9kcal

バターは100gあたり745kcalであり、マーガリンは100gあたり757.9kcalです。

「バター」と「マーガリン」を比較すると、カロリーに大きな差はないことが分かります。


バターとマーガリンの使い分け

バターとマーガリンには似ているようでいて違いもあるので、その特徴によって使い分けできます。


バターはお菓子作りに

バターとマーガリンは用途によって使い分けることで、風味・形状を活かすことができます。

お菓子作りの場合、風味・味を重視するのであれば「バター」が適しています。

バターの代わりに「マーガリン」でお菓子をつくると、口当たりの軽い「あっさり」としたお菓子が出来上がります。

あっさりとしたお菓子を作りたい場合はそれでいいですが、「バターケーキ」や「バタークッキー」等、「バター」を主体としたお菓子にはマーガリンは適していません。


食材を活かしたいときはマーガリンを

あっさりとした味わいの「マーガリン」は、食材の味を活かしたいときに適しています。

例えば、サンドウィッチ等、他の食材の味を楽しみたいときに使いましょう。

また、バターは冷えた状態だと硬すぎて使いにくいですが、マーガリンはやわらかく使いです。

「何をどのように食べるのか」で、バターとマーガリンを使い分けてみると良いでしょう。


バターやマーガリンは体に悪いのか?

バターとマーガリンは、どちらもトランス脂肪酸を含んでいます。

「トランス脂肪酸」とは脂肪酸の1種で、バター・牛肉には「天然のトランス脂肪酸」が、マーガリン等には「人工のトランス脂肪酸」が含まれています。

脂質自体は三大栄養素の1つですが、農林水産省によるとトランス脂肪酸を食品から摂取する必要はないとされています。

加えて、摂取する必要がないだけではなく、トランス脂肪酸を摂りすぎることで、健康へ悪影響を及ぼす可能性が示されているのです。

ただ、偏った栄養素が健康に悪影響を及ぼすというのは、トランス脂肪酸に限られた話ではありません。

バランスのとれた食事を心がけることが重要です。

ほどほどに、ということですね。