だし巻き卵のレシピです。
余分なものは入れない、シンプルなレシピになります。
だし巻き卵とは

卵焼きの一種で、だしをたっぷりと含むもの。
鶏卵を割ってよく溶き、だし汁を加えて、油を引いた調理器具を使って少しづつ巻き上げながら焼きます。
材料
2人前
卵 3個
白だし 大さじ1
水 小さじ1
塩 少々
作り方
調理時間(およそ10分)
「卵 3個」、「白だし 大さじ1」、「水 小さじ1」、「塩 少々」をボールに入れて混ぜます。
卵焼き器に油をひく。(中火)
卵を3分の1入れ、3~4回巻く。
3を、あと2回繰り返す。
すべて巻き終え、形を整えたら、火を止め、卵焼き器から、取り出し、完成。
コツ
卵を混ぜすぎないこと
作り方1で、卵を混ぜすぎないように。
混ぜすぎると卵のコシが失われ、卵の固まる力もなくなり、ふわふわ食感の卵焼きになりません。
決して泡立てず、切るように混ぜます。
シャカシャカと音を立てて混ぜるのではなく、菜箸などをボールの底につけたまま白身を切り溶くようなイメージで、円を描くのではなく上下に往復するように混ぜます。
少しすくってみて白身と黄味が混ぜっていれば大丈夫です。
白身のかたまりが見えるなど、完全に均一な黄色になっていなくても問題ありません。
とにかく混ぜすぎないこと。
時間的にも数秒で終わらせることがポイントです。
焼き方
作り方2~4で焼く時のコツ。
- 火を強くしすぎないこと(中火で十分)
- 卵液を入れるタイミング(箸先で卵液を落としたとき“ジュ”っと音がしてから)
- 卵液を入れたら、箸を玉子焼きの下に入れて持ち上げ、下にもしっかり卵液を流し込むこと
- 半熟状態で巻きはじめること
まとめ
だしがたっぷり入る分、卵がメインとなる厚焼き玉子よりも、だし巻き卵は巻くのが難しい料理ですが、だしの旨さが「ふわっ」と包まれた「だし巻き」は美味しいです。
朝食や昼食・お弁当のおかずに。
余談:卵焼きについて
卵焼きの栄養
卵焼きのカロリーは、卵1個につき約116kcal。
そこまで高カロリーには思えないかもしれませんが、「卵」単体のカロリーは約77kcalであり、本来の卵のカロリーに約39kcalも上乗せされていることになります。
この数字が気になる人もいらっしゃると思います。
この約39kcalの内訳は油・調味料です。
卵焼きは、フライパンの上に薄く卵を敷いては巻いてを繰り返して焼きあげるものですが、フライパンに卵が焦げ付かないよう、新しく卵を流し込む度に油をひく必要があります。
その為、見た目以上に油を多く使うことになりがちなのですね。
そんな油の使いすぎには気を付けたい卵焼きですが、栄養価自体は高いです。
Lサイズ(60g)の卵1個に含まれる栄養素を一部、ご紹介します。
- たんぱく質 : 7.4g
- ビタミンA(レチノール活性当量) : 90μg
- ビタミンD : 1.1μg
- ビタミンE(α-トコフェロール) : 0.6mg
- ビタミンB12 : 0.5μg
- 葉酸 : 26μg
- ビオチン : 15.2μg
- 鉄 : 1.1mg
上記はあくまで、卵1個分に含まれる栄養素であり、また上記には記載していませんが、ビタミンB群やカルシウム・カリウムといったミネラル類もバランスよく含まれています。
「完全栄養食」とも呼ばれるほど栄養価が高いことで知られている卵ですが、実際のところ、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルをはじめとした、私たちの身体にとって必要不可欠な成分がバランスよく含まれているのです。
そもそも卵には、「ひよこ」になって孵るまでに必要な栄養が凝縮されています。
上述の通り、たんぱく質やビタミンB群が豊富に含まれており、足りないのはビタミンCと食物繊維くらいという程に、卵には様々な栄養が詰まっています。
その為、足りない栄養素を補えるような食材を卵焼きの中に入れて焼いた場合、まさに文字通り「完全な栄養食」となるわけです。
例えば、鉄分・βカロチン・ビタミンCが豊富な「ほうれん草」を刻んだものを入れれば、卵だけでは摂取できないビタミンCを補うことができます。
食物繊維を補いたい場合、ひじき・わかめ等の海藻類、またはアスパラガス、ごぼう、コーン等の野菜を季節に合わせて混ぜると良いでしょう。
卵焼きは何を入れても美味しく食べられますが、味だけでなく栄養バランスの観点から具材を選んでみても良いのではないでしょうか。
卵の歴史
卵には「物価の優等生」という呼ばれ方もあり、今や、庶民の味方の食材となっています。
しかし、卵は古くから庶民に親しまれる食材だったかというと、実は違います。
そもそも、鶏の先祖は、東南アジア地域に生息するキジ科の野鶏と言われており、この野鶏がいつからか人間に飼育され、現在の鶏になりました。
古墳時代に鶏の埴輪が残っていることから、日本には、2000年以上も前に朝鮮半島から渡来したと考えられます。
当時は、時刻を告げることや闘鶏の為に飼育され、尊い存在であり、鶏肉も卵も食用ではありませんでした。
それでは、いつ頃から鶏たちが食用として飼育され始めたのでしょうか。
平安時代に伝えられた「日本霊異記」には、「鳥の卵を食べると悪いこと(祟り)が起きる」等の記述が残っていることから、卵は食用ではなかったことが伺い知れます。
元々、仏教においては、卵を食べること=殺生とされており、事実、江戸時代より前の文献には、「卵を食べた」という記録があまり残されていません。
それ程までに、卵食は「罪」だったのですね。
そのような云われ・概念が無くなり、鶏の飼育が開始され、「卵」が一般的に食べられるようになったのは、江戸時代に入ってからのことです。
この頃、たまご売りも出てきましたが、卵食が許されたと言っても、まだまだ庶民の手の届かない特別な栄養食であり、所謂、高嶺の花でした。
たまご売りは、生たまご・ゆでたまごを売り歩いていたそうです。
「ゆでたまご」は二十文、その頃の「かけそば」が十六文と言われています。
仮に、「かけそば」が1杯400円とすれば、「ゆでたまご」は1個500円だったという計算になります。
今では考えられないような、とんでもない価格ですが、それほど当時の卵が貴重なものだったと、うかがい知ることができます。
そんな高嶺の花という敷居を脱し、一般家庭に普及し始めたのは昭和30年以降のことです。
昭和30年以降は、食に対する日本人の意識が大きく変わり、栄養について大きく見直されました。
食生活の欧米化が進み、タンパク質・カルシウムが重要視され、卵、肉、牛乳、乳製品の摂取が推奨されるようになりました。
栄養価も高く、安価で手に入るようになった「卵」。
今では家庭の中に当たり前のようにある卵にも、奥深い歴史が存在するのです。
卵を長持ちさせる方法
「お弁当のおかずが足りない時」、「疲れて手っ取り早く何かを食べたいとき」等、どんな困ったシーンでも頼りになる「卵」。
そんな卵ですが、買い置きする人も多いと思います。
特売の時に2パック程、まとめ買いすることもあるのではないでしょうか?
そして、うっかり賞味期限が近付いてしまって焦るあまり、加熱し、ゆで卵にする人もいらっしゃるかもしれません。
しかし、長持ちさせたいなら、「パックに入れたまま」尖ったほうを下に向け、「生卵」の状態で冷蔵庫の奥へ。
「ゆで卵」にしたり、「ドアポケットに入れておく」と逆に日持ちしなくなります。
卵の白身には、「リゾチーム」と呼ばれる抗菌作用のある酵素が含まれていますが、多くの酵素と同様、リゾチームも加熱すると効果がなくなってしまいます。
生保存が一番長持ちするのです。
また、卵の表面には、「クチクラ層」という保護膜が張っており、水洗いすると、この層が剥がれてしまいます。
洗ったり、パックから出したりせず、「買ったときのパックに入れたまま」冷蔵保存しましょう。
卵を長持ちさせる一番の秘訣は、「温度変化させないこと」です。
スーパーマーケット等で常温販売している理由も、購入後に自宅へ持ち帰る際、温度変化をなるべく少なくする為だそうな。
冷蔵庫のドアについている卵ポケットの場合、ドアの開閉で揺れる上、外気との接触で温度変化が大きくなってしまいます。
加えて、卵は尖った方を下にすると長持ちします。
丸い方には、空気の入った「気室」がある為、卵黄が殻に近づくのを防ぐことができます。
尖った方は殻が厚くて固いので、下にしてもヒビが入りにくいのです。
以上、卵を長持ちさせる方法でした。
卵を長持ちさせる正しい方法をマスターし、美味しく安全に卵を保存しましょう。